尼崎市、園田駅徒歩2分の歯医者|アキ歯科クリニック

MENU

Column

コラム

  • HOME
  • ブログ
  • コラム
  • 保険診療と自費診療のあまり知られていない話~当院が自費治療を積極的にお勧めする理由~

保険診療と自費診療のあまり知られていない話~当院が自費治療を積極的にお勧めする理由~

Pocket

院長の木本です。今回は今まであまりお話ししていなかった内容についてです。

保険診療は当たり前?

日本の医療は、保険でかかるということが多くの方の「常識」になっています。

保険診療は、「病気または疾患にかかっている」、そして、「誰もが平等の診療を受ける」ということがその保険診療の大前提としてあるのをご存知でしょうか?
例えば、風邪をひいて内科を受診する時には医師の診察を受け、診断名がつき、その症状にあった薬をもらう。その治療費について、何十万円もかかったらどうしようと心配することはないと思います。

そして、一度風邪で病院にかかったことがある方であれば大体の方は病院での流れも予想できると思います。もし、もっと症状が進んでいて、気管支炎や肺炎になっていたとしても、保険診療が前提です。

そんなの当然!と思っていると思いますが、これ、歯科ではちょっと状況が違います。(もしかしたら医科でもそうなのかもしれませんが・・・)

もちろん、歯科でも虫歯や歯周病の方は、検査をして診断名がついて、虫歯だったら虫歯治療、歯周病だったら歯周病治療をします。治療を受けられたことがある方はご存知の治療で、虫歯だったら、虫歯のところを削って穴があいたところを何かしらの材料で詰める、歯周病だったら歯周病の原因菌を増やさないようにする(歯肉の炎症を抑えるような処置や、歯石を取る・・・など)といった治療です。

こういった治療の際に、高額な自費診療を勧められる事もあるのではないでしょうか・・・?あなたのかかりつけの歯医者さんは、どうですか?あなたの負担を最小限に考えて、すべてを保険の範囲で治療してくれる、歯医者さんですか?そして、保険の範囲内で治療することを前提としている歯医者さんのことをあなたは良心的な歯医者さんだと思ってらっしゃるのではないでしょうか?それは果して本当に良心的だと思いますか?

保険診療のルール

保険第一かどうか、保険を前提とした治療を提案してくれる歯医者さんが良心的かどうかはそれぞれの方の状況や価値観といったことにも関係してくるとは思いますが、知っていただきたいのは、保険診療にはルールがあるということです。
保険診療を受ける際には、

  1. 保険診療に該当する診断名がつかないといけない
  2. 診断名を付けるためにはある程度の検査を受けないといけない
  3.  保険診療の治療は大体同じ

 

このことは、私たち歯科医師はしっかりと認識していることなのです。
私たち、保険機構からの医療費を受け取る立場では、保険を使うためには、確固とした裏付けが必要なのです。そのためにその診断名を付けた根拠を第三者に明確にする必要があります。そのために

  1. 保険診療に該当する診断名を付ける(病名がついたとしても保険診療に該当しない病名では保険診療は使えない)
  2. 診断名を付けるためには、検査が必要になる。(その検査については、第三者にもその診断名が整合性の取れるものだと証明できるものであるもの。)
  3. 保険のルールで認められている診療しかしてはいけない(皆平等の治療)

 

なぜなら、「日本国民が支払っている大事な保険料」を使うためです。みなさんは、それぞれ負担額は違いますが、保険料を支払っています。あなたからすると、保険料を支払っているんだから保険診療にしなければ損という気持ちもあるのでは…と思いますが、私たち医療者側としては、日本国民の大事な保険料から支払われるということが前提ですので、会計の際の窓口負担は別にして、保険料は私と患者さんとの間だけの話ではなく、保険機構も介在しているので、あなたが保険料を払っているからという理由だけでは保険診療を受けられる理由にはならないのです。つまり、あなたにとって当たり前だと思っていることでも、私たち医療側では決して当然ではないと言うことです。

私の意味する保険診療とは?自費診療って?

一方、私と患者さんの間だけでの診療というのが自費診療になります。

少し話が戻ります。よく聞く話ですが、高額な自由診療(自費診療)を行う歯医者は、金儲け主義・・・。何でも保険診療でやってくれる歯医者は、良心的・・・。という評価もあります。その方の価値観もあるとは思いますが、本当にそうでしょうか・・・?ちなみに当院では、自費診療を積極的にお勧めしています。こう書くと、金儲け主義の歯医者って思われますか?

先述したように、保険診療は実は限定的です。そして、実は質的には普通です。「どんな方も皆平等の診療」が保険診療なので特別扱いはできません。この質というのは、材料が悪いとか術者が適当にしているという意味では決してありません。確かに、保険で使える材料と使えない材料というのはあります。

でもここでいう意味はそうではなく、悪いところだけを見て、そこだけの治療をする、つまり全体を見ずにパーツしか見ない、虫歯になっている歯の治療をする。それだけです。その歯の予後はできるだけ良いように最大限の治療をしたとしても、その歯の虫歯に関してだけの治療しかしません。できないのです。

歯科の範囲は歯(親知らずを除いても歯は28本)、その周りの歯ぐき、歯を支える骨、あごの骨、舌、口唇、口蓋、頬、あごの関節など様々で、その調和を考えないと、今、人生100 年(短く考えて80年)時代と言われているなかで、長期に渡って使い続けていけるような、機能する口腔を保つのは難しいことなのです。その事はみなさんご存知ない方がほとんどだと思います。

「虫歯の治療をしてもらったから、安心だわ。」
「虫歯のところだけ治療してれくれたら良いです。」
「虫歯治したはずなのに、また虫歯なの??」

と、患者さんから言われることがあります。もちろん患者さんの身体なので私は希望に沿います。ただ、その治療の先、短期的ではなく長期的なこともわかって仰っている言葉であれば…です。今までそういった説明を受けられたことがないのであれば一度聞いてから判断し、治療を選んで頂きたいと思います。
(虫歯治療についてのコラムもありますので、ご一読くださいませ。)
「2021年10月2日虫歯の治療をしたらその歯はもう大丈夫?」を見る

当院が積極的にお勧めしている自費診療というのは、確かに一般的な自費治療のセラミックやインプラントなどもあります。それは私たち自身が治療を受ける場合には保険の詰め物ではなくセラミックを選ぶからです。なぜ選ぶのかというと、ここでは説明の詳細はしませんがやはり良いものだからです。自分や自分の家族や親しい人に勧めるものを大事な患者さんには勧めないというのは大きな裏切り行為だと私は考えます。ですので、お勧めします。ただ、ここでいう自費診療というのは先述した歯だけではなくその周囲の組織の調和をみて診療する『包括的歯科医療』のことです。

歯の治療をしてかぶせ物をしてもらったけど、すぐに外れた・割れたといったことや、義歯(入れ歯) を作ってもらったけど、痛くて噛めない、外れる…なども、もしかしたら噛み合わせが原因だったり、ほかの部位との調和ができていないことが原因だったりします。

その不調和を調べることや、それにかかる治療は現保険制度では認められないことが多いのです。ただ、悪い歯、症状が出ている歯だけを治療しても、またほかの歯が痛(傷)んでくることもあります。

義歯にしても、当院では保険はお勧めしていません。義歯にするほどの欠損(歯が抜けたところ)が多い方は、噛み合わせのバランスが乱れていることがほとんどです。

その調和をしっかり分析し、治療することは残念ながら保険ではできないのです。

セラミックのかぶせ物も、インプラントも、当院が自信をもってお勧めしているドイツ式入れ歯も、その包括的歯科医療の中の一環としてとらえております。
よりよい口腔内の環境であればセラミックも長持ちします。

私は患者様に先々を見据えた治療を受けて頂きたいと強く思っています。その歯科医療の実情を知って頂き、当院の方針を望む患者様に来ていただきたいです。そして、歯科の領域にお悩み無く生き生きとした生活を、豊かで幸せな人生を送って頂きたいと願っております。

そして、そのお手伝いができるよう、私たちはプロとしてあなたの豊かで幸せな人生のお手伝いが出来たらうれしいです。