尼崎市、園田駅徒歩2分の歯医者|アキ歯科クリニック

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コラム

老年期と歯科の関わり

Elderly people receive explanations at the dentist

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みなさん、こんにちは!
今回は老年期の方と歯科の関わりについて、お話していきたいと思います。

老年期では、むし歯と歯周病だけではなく、口腔機能の低下や、入れ歯のお手入れなど、青年期ではなかった様々なことに気をつけていかなければいけません。

老年期のお口の特徴

むし歯や歯周病が多くなる

歯周病で歯ぐきが下がったことによる、歯の根の部分のむし歯や、被せ物の中に出来る二次むし歯。
お口の中が複雑になることによる磨き残し、自浄作用の低下により、洗い流せない汚れが多くなり、歯周病も増えてきます。

治療した歯や入れ歯を使用している方が多い

長年歯を使っていると、むし歯が出来て治療した跡があったり、中には歯を抜いて入れ歯を使用している方も多くなってきます。
むし歯が1本もない方は本当に珍しいです。

口が乾燥している、粘膜の疾患が増える

自浄作用の低下と繋がっていますが、加齢による唾液分泌量の低下は70歳くらいまでは変わらないということがわかってきています。
老年期では、全身疾患との関わりや、薬剤、ストレスが影響を与えていると考えられます。
お口が乾燥すると、入れ歯で傷が出来やすかったり、細菌が繁殖しやすくなってしまいます。
また、舌がヒリヒリしたり、嚥下しにくくなるなどの障害も出ることもあります。

老年期のお口の問題

特徴をあげましたが、ここで問題です。
歯の本数が多ければ、それは健康なお口と言えるのでしょうか。
老年期のお口の問題として、多く訴えがあるのは、【硬いものが噛めない】【むせる】など、口腔機能の低下によるものです。

口腔機能の低下は【オーラルフレイル】と呼ばれています。

オーラルフレイルとは

みなさん、オーラルフレイルって聞いたことありますか?
フレイルという言葉は、医学用語の『フレイルティー』の日本語訳で、加齢により心や身体が衰えてしまった状態を言います。
具体的には、

  • わけもなく疲れた感じがする
  • 元気が湧かない
  • 体重が減る(半年で2〜3キロ)
  • 筋力、身体機能の低下(握力や歩く速度の低下)

などです。

そしてオーラルフレイルとは、舌やお口の周りの筋力、噛む力の低下などを含むお口の機能の低下を指します。
具体的には、

  • むせる
  • 食べこぼし
  • 滑舌が悪くなる
  • 少食、食欲不振
  • 軟らかいものばかり食べる
  • 口が乾く
  • 歯が少なく、顎の力が弱い

などです。

老年期には、むし歯や歯周病だけでなく、このオーラルフレイルをいかに予防していくかが大切だと考えます。
そうなんです!みなさん、気づきましたか?
フレイルやオーラルフレイルは、予防が出来るんです。

老年期のカギ、オーラルフレイル予防

お口を清潔に保ちましょう!

まずは、お口の中をきれいにすること。
老年期の方の食後のお口を見せていただくと、舌の上にご飯が残っている、頬にご飯がへばりついているなんてこともよくあります。(お口の中が少し鈍感になってきている)そのままにしておかず、食後にうがいをしたり、寝る前にはハミガキをするようにしましょう。

パタカラ体操やあいうべ体操をしよう!

特にお食事をする前に、この体操をすると良いです。
お口を動かすことで、お口の機能が目覚めて、ご飯前の準備体操になります!

唾液腺マッサージをしよう!

これも、お食事の前にすると良いですね。
唾液が少ないと、食塊形成が不十分になり、むせの原因にもつながります。

まとめ

老年期と歯科の関わりは、歯を治すことだけではなく、今後起こり得るフレイルを予防するための大事な機会となります。
歯科では、お話をするだけではなく、舌圧や、噛む力、お口を閉じる力など、検査をして、実際のお口の機能がどれほどあるのかを調べることが可能です。
むし歯や歯周病を治療することも、もちろん大切ですが、これからはお口の機能を維持、改善するように歯科を利用しましょう!