みなさん、こんにちは！

今回は2023年1月1日に更新された、フッ化物配合歯磨剤の利用法についてお話します。

この発表は《日本口腔衛生学会》《日本小児歯科学会》《日本歯科保存学会》《日本老年歯科医学会》の４学会がフッ化物応用の研究データやアップデートなど、国際的な推奨の更新を受け、合同で発表したものです。

【変更点】

《歯が生えてから２歳》

使用量は切った爪程度の少量から米粒程度（1～2㎜）

フッ素濃度は500ppmから900〜1000ppmに変更されました。

《3～5歳》

使用量は5㎜以下からグリーンピース程度の5㎜

フッ素濃度は500ppmから900〜1000ppmに変更されました。

《6～14歳》

使用量は1㎝程度からハブラシ全体（2㎝程度）

フッ素濃度は1000ppmから1400〜1500ppmに変更されました。

《15歳以上》

使用量は2㎝程度で変わりませんが、

フッ素濃度が1000ppmから1400〜1500ppmへと変更になりました。

チタン製歯科材料（インプラント）が入っている場合も歯があるならばフッ化物配合歯磨剤の使用を推奨。

やっと国内の基準が国際基準と同じになりました。

発表にもありましたが、日本の子どものう蝕は減少傾向にあるが、罹患率は高く、成人では約３人に１人が治療していないむし歯があり、高齢者のう蝕経験者は増えています。

成人の３人に１人の口の中に治療されていないむし歯が存在していることにまず驚き。。

歯周病もいまや２人に１人が罹っているのに、健康な口の方はもういないのか？！

この発表で健康な口の未来を危惧することになるとは。

これでやっと足並みが揃ったのですが、日本の販売品のパッケージには、まだまだフッ素濃度が記載されているものも多く、消費者がもっとわかりやすく購入できるようにしていってほしいですね。

そして基準が上がったことで、商品自体ももっと多く作られることに期待します。

今現在は大人用の1400ppm以上のものはほぼミント味で味のバリエーションも多くありません。

多くの子どもたちが使用できるように、いろんな味が開発されるといいですね。

高齢者用には、やはり根面う蝕用のフッ化物配合歯磨剤が必要ですね。

発表にも記載がありましたが、海外では5000ppmの高濃度フッ化物配合歯磨剤の有用性が知られており、う蝕ハイリスクの方に推奨されています。

高齢者の根面う蝕は本当に症例が多く、口腔の不衛生にもつながり、やがて誤嚥性肺炎にも繋がってくことから、しっかりフォローできる用品が今後出てくること、日本でも認可されることに期待します。

うれしい発表でしたが、基準が上がったことで注意も必要です。

子どもは、大量に食べたり飲んだりしないよう、保管方法や使用方法に十分注意が必要ですね。

今現在、１本飲んでも大丈夫なものしか販売されていませんが、置き場所など、手の届かないところに置くことが必要です。

そして、ハミガキの方法にも気を付けなければ、フッ素の恩恵をしっかり受けることができません。

《お勧めの方法》

①１日２回のハミガキ（夜は必ず）

②ハミガキの後は先にお口の中の歯磨剤を吐き出して、うがいは少量の水で約５秒１回のみ！

　(お水は15ccの大さじ１杯です)

①はみなさんクリアしてくれていると思いますが、②は中々みなさん何回もうがいしたり、多量の水でうがいしている方もいらっしゃるのではないでしょうか？

コップでうがいするのと、手で水をすくってうがいをするのとでも、水の使用量は変わりますね。

フッ素濃度を改めると同時に、日頃のハミガキの方法も改めて習慣づけて頂ければと思います！

フッ素濃度の推奨基準がアップデートされたことを、私達もみなさんに周知して頂けるよう、

歯科医院にいらした際にはお話させて頂こうと思います。

みなさんも周りの方に、ぜひ教えてあげてくださいね！