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コラム

口腔機能低下症

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みなさん、こんにちは。
『口腔機能低下症』という疾患をご存知ですか?
口腔機能低下症は加齢だけでなく、病気やさまざまな要因によって、複合的にお口の機能が低下している疾患です。

例えば、、
・滑舌が悪くなった
・舌をよく噛む
・食事のときにむせるようになった
・口が渇く
・噛めないものが増えてきた

などの症状が当てはまる方は、口腔機能が低下してきているかもしれません。

口腔機能低下症とオーラルフレイル

オーラルフレイルとは、わずかなむせや食べこぼしといった、口腔機能が低下した状態を示します。
口腔機能低下症は検査をした結果に基づく疾患名で、区別されるものではなく、オーラルフレイルの症状を見逃して放置してしまうと口腔機能低下症に繋がってしまいます。

オーラルフレイルは予防出来る

オーラルフレイルの予防に大切なのは、お口を清潔に保つこと、そして使うことです。
ハミガキのセルフケア、定期検診のプロフェッショナルケア、そして誰かと話したり、食事したり、体操をしたり、お口の筋肉を動かして、筋力を衰えさせないようにできれば、オーラルフレイルは予防出来ます。
どんなことが効果的なのか、ぜひ検診時にお尋ねください。

どのくらい機能を使えているのか?

毎日使っているお口の機能が、どの程度使えているかって、自分ではなかなかわかりませんよね。
そしてそれが年相応なのか、若いのか、衰えてしまっているのか、気になりませんか?

歯科では、『口腔機能低下症』の検査をしています。
診断結果により、お口の機能のトレーニングや予防法をお伝えしています。

口腔機能低下症の検査とは

口腔機能低下症の検査は7項目。
7項目のうち3項目以上当てはまる場合、口腔機能低下症と診断されます。

①お口の中が清潔か(舌苔で判断)

舌苔の付着度で不衛生か判断します。
お口の中の細菌は歯だけでなく、舌の上にもたくさん付着しています。
50%以上汚れていた場合、口腔機能低下症のチェックに当てはまります。

②お口の中が乾燥しているか

口腔水分計という機械や、ガーゼを使用して乾燥しているかを測定します。
口腔水分計で27.0以下の場合、口腔機能低下症のチェックに当てはまります。

③噛む力の測定

噛む力を測定するシートで診断したり、残存する歯の数(揺れ動く歯や根っこのみは数に入れません)を数えて診断します。
判定基準は20本未満。
親知らずを省くと永久歯は全部で28本ですから、8本抜けてしまっている場合や、動揺している歯がたくさんある場合は、噛む力が低いと判断し、口腔機能低下症のチェックに当てはまります。

これは自分でもチェックできそうですね。
みなさん、自分の歯が何本か、わかりますか?

④舌や口唇がうまく動くか

舌や口唇がうまく使えているか、『パ・タ・カ』を『パパパパ…』『カカカカ…』と5秒間発音し、1秒あたりの回数を割り出します。
1秒間に5回以下の発音の場合は、口腔機能低下症のチェックに当てはまります。
6回以上発音できていれば、大丈夫!
私は訪問先でも出来るように、携帯のアプリにも入れています。パタカラ アプリ を調べるといろんなものが出てきます。

⑤舌の力があるか

舌圧測定器で舌圧を計測します。舌の力は食事をする時に重要で、舌で歯の上に食べ物を運んで、上あごに食べ物を押し付け、つぶすこともしています。
飲み込む時には、上あごに舌をしっかり押し付けることが必要です。
30kPa以下の場合、口腔機能低下症のチェックに当てはまります。

⑥咀嚼する機能が使えているか

咀嚼能力測定用のグミを噛んで、どれだけ細かく砕けたかで判断します。
グミが砕けていなかったり、ほぼ同じ形状の場合、口腔機能低下症のチェックに当てはまります。

⑦嚥下する機能が低下していないか

EAT-10や聖隷式嚥下質問紙を使用して、チェックしていきます。
日常生活や食事のときの聞き取りで、チェックしていきます。

まとめ

まずは、オーラルフレイル、口腔機能低下症について、知ること。
予防するには、お口の中を清潔に保つこと、定期検診を受けること。そして、検査項目の中でも、ご自身で出来るパタカラや、歯の本数を数えてみるなど、ご自身で出来ることもありますね。

栄養バランスのとれた食事をすることや、ゆっくりしっかり噛んで食事を楽しむこと。
社会との関わりを持ち、周りの人とのコミュニケーションをとること。
検査項目にはありませんが、人との関わりも重要です。

口腔機能低下症は、歯科医院で診断できます。
気になる方は、お声掛けください。