アキ歯科クリニックの衛生士です。
しっかり定期検診を受けて、むし歯も歯周病も問題なく過ごせている私ですが、もし私が歯科治療を受けることになったとしたら、どんなことに着目して先生や歯科衛生士の話を聞いているのか、書いてみようと思います。

最近の歯科医院では、まず初診カウンセリングを行うことが主流となっています。
患者様が何に悩んで来院を決意されたのか、どこまでの治療を望んでいるのか、その方の大事 にされている事や価値観、歯科に対してどのような考えを持たれているのかお伺いしていくとともに、私たち歯科医院側からも、当院の考え方とどのようなことに力を入れているのか、何が提供 できるのかをお伝えしています。

私は金属の小さな詰め物が口の中にあるので、まずは白い詰め物に変えたい。そして治療したあとに、ホワイトニングもしてみたいと考えていることを伝えます。
保険証でばれてしまうのですが、やりにくいかなと変に気を遣ってしまい、同業者であることを隠 してしまったりもします(笑)

そうすると、歯科側は治療の説明(保険の診療だけでなく自費の診療も含めあらゆる治療法)を伝えます。
最終決定までに、何回か話を聞く機会(カウンセリング)を設けて、自分でどうするか意思を固めます。

私が患者として気にして聞くポイントは

①いまの自分の口の状況
②治療が必要な場合、なぜその治療が必要なのか？ 治療期間はどのくらいかかるのか？
③治療のメリット・デメリット
④保険診療と自費診療の違い、費用
⑤自分には保険・自費どちらが合っているのか
⑥治療後の予後

の６つ。
この６つをきちんと話してくれる歯科医院が、
本当に良い歯科医院じゃないかなと私は考えています。では、一つずつ解説していきます！

①いまの自分の口の状況

セルフケアをしっかりしているつもりでも、むし歯や歯周病が潜んでいるかも。レントゲンの説明もしっかり聞きます。

②治療が必要な場合、なぜその治療が必要なのか？ 治療期間はどのくらいかかるのか？
→自分に本当に必要な治療なのか、通院できる範囲での治療期間なのか？ 私に寄り添ってくれているのか判断します。
例えば主訴と違うところをまず治療と言われた場合、なぜその順番なのか、聞いておくこと。治療計画を聞いておくことは、とても大事です。

③治療のメリット・デメリット

例えば、金属の詰め物を外して、白にするといった場合、メリット・・審美面で満足できる
デメリット・・金属を外してもう一層歯を削ると神経にさわるかもしれない。私は審美面で悩んでいるので、白にすることを選ぶと思います。
上の歯なら見えないからいいかな、下の歯ならなど場所によっても意見は変わります。

④保険診療と自費診療の違い

保険でも白くすることは可能です。ですが、材料が違うと強度や見栄え歯磨きのしやすさも違います。
まず
同じ器でも、プラスチックの白と陶器の白では色が違って見えます。プラスチックと陶器でも強度も変わってきます。
歯ぎしりなど、自分の噛み癖などに合っているものか、聞くと良いです。

⑤自分には保険・自費どちらが合っているのか

まずは自分の歯に適した治療であること、保険・自費の選択肢を説明してもらい、自分の価値観などと照らし合わせます。
今はお金がないから保険で、次になにかあれば自費でなど、包み隠さず相談しています。

⑥治療後の予後

治療を行った場合、歯がどのくらい長持ちするのか。 改善できる見込みがあるのか聞いてしっかり考えます。

先生の話だけだと不安な場合は、衛生士さんにも相談します。先生の補足や、意見を言ってくれます。
私はあと一押しが欲しいのもあって、相談してしまいます。

ここまで話しましたが、ここで大前提として押さえておきたいことがあります。それは、先生や衛生士と信頼関係を築いておくことです。
信頼関係が構築されていれば、自分に適した治療の近道を早く見つけることが出来ます。信頼関係を築く１番の方法は定期検診に通うことです。
もし歯肉が腫れたときも、定期的に診てもらっていれば、初めての腫れなのか、慢性的なものか、原因は何か、すぐに順を追って考えることが可能です。
そうすると、自然と必要な治療が見えてきます。

何でも話せる歯科医院であれるよう、私達も日々患者様とのお話を大切にしています。歯に関係のないことでも、話してください。

もう10年以上前のことですが、ある患者さまで『大丈夫、大丈夫』と２回仰る方がいました。

そういう時に限って大丈夫じゃないことが多い方で、定期検診で来院された時も、『ちょっと違和感あるけど大丈夫、大丈夫』と仰ったので、大丈夫じゃないんじゃないかなと思って、
『私が少し心配なので、先生にチェックお願いしときます』とお伝えしたら、ほっとしたお顔で、『あ りがとう、実はちょっと心配やった』と言ってくださいました。
忙しそうにしていた先生に気を遣って下さっていたそうです。

なんてお優しい方なんだろうと思うと同時に、申し訳ない気持ちもこみあげてきて、それ以来、患者様との何気ない会話にも、耳を澄まそうと肝に銘じています。
そしてそれも、ずっと通ってくださっていたからこそ、気づけたことだと思いました。

私自身、定期検診の時や治療の時、患者さまの目線に立って、同じように忙しそうだから言わないでおこうと思ったりしたことも過去にあります。

だから、私自身が一患者であること、とても大事にしています。いつでもみなさんのそばに寄り添えるように。

色々脱線してしまいましたね。
今回は、もし私が治療を受けるなら、どこに着目して受けているか、お話しました。

みなさんのかかりつけ歯医者さんになれるように、
患者様の立場になって、初心忘れず、今日もお待ちしています。