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コラム

入れ歯?差し歯?被せ物?

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みなさん、こんにちは!
今回は、我が家で起こった事件。
歯科衛生士の私と、家族との歯の知識のすれ違いについて、お話していきたいと思います。

以前、うちの祖母の前歯が取れた、というお話をしたことを覚えていますか?

今回、この前歯の一件で、私はまだまだ患者さんと意思疎通を図れていないなと思い知らされました。

患者さんとお話するときに、なるべくわかりやすいように話すようにしていたのですが、意外と浸透していないんです。

写真のものの名前は何か?

みなさんは、お分かりになるでしょうか?
私はこの写真を家族に説明するのに、今回一苦労もふた苦労もしました。

正解は『セラミックのブリッジ』です。
自費ですし、10〜20年外れずに使えるものです。

しかしこれを家族は、『入れ歯』『差し歯』『被せ物』と言いました。
しかも、話すたびに呼び名が変わるんですよ。

祖母の口の中

ちなみに祖母のお口の中の所見は、、
上の奥歯は部分入れ歯、手前にブリッジがついていましたが、部分入れ歯はつけておらず、前歯に負担がかかってしまったため、今回ブリッジが外れてしまいました。

ということで、家族からの質問。
(家族)この差し歯は元々外れるようになってるのか?
(私)ん?そんなわけない。ずっとついてたやろ?
(家族)ではこれは入れ歯?外れるし。
(私)え?ずっとついてたよね?
(家族)でもいま外れてる。
(家族)奥歯の入れ歯も使ってないから、奥歯も前歯みたいにつけてもらえないの?
(私)奥歯は根っこがないから、入れ歯しか出来ない。
(家族)なんで出来ないの?
ここからは、私も混乱してしまい、一旦休憩させてもらいました。

さて、整理していきましょう。

歯科衛生士と家族との認識の違い

『家族にとって入れ歯とは…』
→大きくて歯ぐきの色がついてるやつ。

そう、これですね。これは総入れ歯。
ではこれはなんでしょう。

これは、部分入れ歯ですね。
数本、歯を失ってしまった場合に作ります。
しかし、実際にこちらの画像を家族に見せたときの回答は、

『差し歯』でした。

歯に金具を差すから、差し歯という認識だそうです。
部分入れ歯という言葉は知っていても、実際に見たわけではないから、わからないとのこと。
なるほど…

『家族にとって差し歯とは…』
→取り外しのできる歯のこと。ちなみに祖母の前歯も差し歯。なぜなら歯に差しているから。
部分入れ歯も差し歯の分類に入るとは、本当に驚きました。。

『家族にとって被せ物とは…』
→外れない治療をした歯のこと。この辺で私の脳みそはパンク寸前でしたね。

歯の世界は難しい…けど面白い

ここで面白いなと思ったのは、被せ物という認識のものが、ある日突然外れてしまったら、その名前は差し歯にすり替わるということ。
被せているときはわからないのですが、外れた瞬間に、歯に土台が差し込んであることがわかるので、差し歯に変わるそうです。
そしてそれは、外れることから、つけ外しの出来る部分入れ歯にも適用されると。
しかも、歯医者は『歯をはめる』というのだから、差し歯になるのだと。
なので、『祖母の入れ歯』、『祖母の差し歯』これを私が私の知識で考えてしまうと、ちんぷんかんぷんになって、ダメなんですよね。

患者さんや家族にとって、なんであるのかを聞くことが大事

今回、うちの祖母が外れたブリッジで一悶着しましたが、私の常識を話す前に、まず患者さんや家族にとって、この歯がなにであるか、どういう認識なのかを聞いてから、理解して説明すること。
治療についても、患者さんにきちんとご理解いただいた上で治療をしないと、思わぬ誤解を生んでしまうのだと、学んだのでした。。
寄り添ってるつもりで、寄り添えていなかった。
まだまだ勉強不足です。