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コラム
歯周病予防で全身疾患も予防できる!
- 2023年3月12日
- コラム
みなさん、こんにちは!
前回は歯周病の症状や治療法について、お話させて頂きました。
今回は歯周病と全身疾患との繋がりをお話していきたいと思います。
歯は身体の外と内を貫いている組織
歯周病の原因はプラーク(歯垢)で、ポケットに溜まり、毒素を出し炎症を起こしていきます。
そして、その毒素は炎症を起こして出血した血液の中に入り込んでいき、全身に悪さをしていくのです。
身体の外で形成されながら、身体の中に静かに侵入し、組織を壊していく、それが歯周病の怖い作用です。
歯周病が引き起こす全身疾患
下の絵を見てください。
この絵は歯周病と関わりの深い疾患を示しています。
上から順に、
- 脳血管疾患
- 呼吸器系疾患
- 心疾患
- 糖尿病
- 骨粗鬆症
- 低体重児出産・早産
の6つです。
歯周病と脳血管疾患
歯周病菌は血中に入り込んで血液の凝固を起こし、血液の流れに障害を起こします。
血栓が出来てしまうと、脳梗塞に繋がります。
歯周病と呼吸器官系疾患
2019年に九州大学の研究により、歯周病が重度である人ほど、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の発症リスクが約4倍であることが解明されました。
また、高齢者に多い誤嚥性肺炎の原因である細菌の多くは歯周病菌と言われています。
お口から気管、肺へと細菌が入り込むことにより、引き起こされるということですね。
歯周病と心疾患
歯周病菌は血中を通るとお話していますが、心臓にたどり着くと、血管壁に炎症をつくり、動脈硬化を起こします。狭心症や心筋梗塞のリスクが高まります。
歯周病と糖尿病
歯周病菌が活発になると、歯周病菌と闘おうとする反応でサイトカイン(炎症物質)が身体に分泌されます。
このサイトカインが、血糖をコントロールするインスリンの働きを阻害することがわかっています。
歯周病と骨粗鬆症
骨粗鬆症に罹患している方は、歯周病にかかりやすく、重症化しやすいと言われています。
骨粗鬆症は、身体の骨だけでなく、歯の周りの骨も脆くしていきます。
そして、歯を失うと咬む力が低下して、栄養をうまく吸収できず、低栄養になり、さらに骨粗鬆症が進行するというメカニズムです。
歯周病と低体重児出産・早産
歯周病菌が活発になり、サイトカインが分泌されると、プロスタグランジンの分泌を促します。
このプロスタグランジンは、子宮収縮に大きな作用を及ぼすもので、妊娠中にプロスタグランジンの濃度が高くなると、出産開始のサインと身体が勘違いしてしまい、陣痛や子宮収縮が起こり、低体重児での出産になってしまいます。
まとめ
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
今回6つ疾患を挙げましたが、みなさん歯は関係ないと思っていませんでしたか?
読んでお分かりいただいた通り、歯と直接関係のなさそうな疾患でも、身体は血液でぐるっと繋がっていて、歯を守ることで全身疾患を予防、改善することが出来るんです。
以前、歯科のセミナーに参加したときに、脳外科の先生が、脳梗塞が多いのは、歯科が頑張ってないからだと、仰っていました。
脳血管疾患とプラークの関わりを聞いて、ほんとにその通りだなと痛感したのを覚えています。
歯科業界がもっとプラークや歯周病の危険性を患者様にお伝えして、プラークコントロールを行えていれば、脳梗塞を起こす患者様は少なくなるかもしれない。
普段お伝えできていないなと猛反省しました。
そしてこれは脳血管疾患だけではありません。
マタニティ歯科であったり、糖尿病患者様であったり、もっと病院と歯科が連携をとって、啓蒙活動や勉強会を開いたりしていれば、広い範囲で全身疾患を予防出来るのに。
歯科医院は患者様が来るのを待つだけで、あまり自分達から啓蒙活動をしていないなと思います。
なので微力ではありますが、こうしてコラムを書き続けることで、歯を守ることの重要性を少しでも多くの方に知っていただきたいと日々思っています。
ハミガキをいつもの習慣と思わず、身体を守る大事な行為だと意識して頂けると嬉しいです。
少しの意識が身体を大きく変えていきます。
また、歯肉の中のプラークや歯石は、ご自身では中々取り除くことは難しいので、定期的な歯科受診をお勧め致します。
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