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コラム

詰め物・被せ物の寿命 保険診療③メタルクラウン

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みなさん、こんにちは!
前回までお口の中の詰め物、つまりご自身の歯を一部残した状態のものをお話してきましたが、
今回はいよいよ被せ物についてお話ししていきたいと思います。

メタルクラウン 耐久年数約7〜10年ほど

金属の被せ物で、神経の治療をした後に、土台を築造し、歯の形をした金属の冠をつけます。神経がある歯でも虫歯の範囲がかなり広く歯質の欠損が多い場合も被せ物になる場合があります。
素材は金銀パラジウム合金で、小臼歯や大臼歯に保険で使いますが、
小臼歯や下の歯の場合はにっこり笑ったり口を大きく開けるとキラッと銀色が光ります。
尼崎市 歯医者 アキ歯科クリニック ブリッジ

メタルクラウンのメリット

・保険適用で安く治療することができる
・頑丈な素材なので、欠けることはない

メタルクラウンのデメリット

・小臼歯や下の歯などにっこり笑ったりすると見える範囲では金属色が目立ち審美性に劣る
・金属アレルギーの可能性がある
・メタルタトゥーをつくってしまう

治療時の患者様との会話から…

『まさか被せ物の中がむし歯になってたなんて!』『どうりで口の中で臭いがすると思った』
というお声を聞きます。
そうなんですよね。被せ物の中でむし歯になっていても、気づかないんです。
ほとんどの方の場合、金属の被せ物をする時は神経を抜いています。
神経がありませんので、むし歯が進行しても痛むこともないんです。
例外で、根っこの先にバイ菌が入った場合は、膿がたまり、腫れて痛みを伴うことがあります。

金属は強い、けれど

あまりありませんが、噛み合わせがキツかったり、歯ぎしりの習癖があったり、
金属が薄いと噛み合わせの面が削れて穴が空いてしまい、
そこからむし歯が進行してしまったり、外れてしまうことがあります。
外れたものを見たら、穴が空いてた!なんてこともあるんです。

メタルクラウンに限らず、保険診療で使われている接着剤は5年ほどで脆くなりやすく、(クラウンはそもそも接着剤というより嵌合(歯とクラウンがはまり合う作用)でついてるのですが)、脆くなった接着剤の隙間から2次う蝕ができたり、年数が経ち、歯ぐきがクラウンを入れた時と状態が変わってしまい今の歯ぐきの状態とクラウンが合わなくなり、その部分が磨きにくくなったり
以前にも書きましたが、一度治療すると後々もっと大きな治療になるのは、
このように、2次う蝕を引き起こし、段々歯が悪くなるからです。
※おおよその目安ですが、同じ歯が大体5回の治療をやり直すと歯を抜かなければならなくなるというデータもあります。何回も治療をすればその分、歯の削る量も多くなるので残せる歯の質もすくなくあ

保険診療と自費診療では、素材だけではなく、接着剤も使用しているものが違うため、
治療した歯の寿命や、次の治療が必要になった時の選択肢が増えるんですね。
保険診療と自費診療では審美面だけではなく、その歯の予後にも大きな差が生まれます。

難しいですね。
保険診療と自費診療。
保険で使って良い素材、接着剤。
自費だからこそ出来る素材、接着剤。
いまは保険診療で、いつか自費診療で。
私もそうです。よくわかります。

みなさんにとって最良の治療を提供したい。
私たちは常にそう考えています。
みなさんにも選択肢を沢山持って、選んでほしい。
保険診療と自費診療。
その歯に出来ることをきちんとお話しした上で、選んだ選択肢を尊重し、私たちは治療を行います。

本音を言うと、もっと自費診療が身近になればいいのにと思います。
ホワイトニングや矯正など、やっと少しずつ自費診療は身近になってきましたが、
それでも被せ物に関しては、まだまだ選ばれる選択肢としては少ないかなと思います。
アメリカは子供にも自費の詰め物や被せ物を入れる文化が定着していると知り合いの先生に聞きました。
日本では自費診療は贅沢だったり、裕福な方がするというイメージが強いですが、
アメリカでは歯をきれいにすることはステイタスになります。
感覚の違いも、歯科診療は大きな差を生んでいる気がしています。

次回は詰め物・被せ物の寿命 保険診療④前装冠です。