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コラム
保険の定期検診と自費クリーニングの違い〜健康な人こそ知ってほしい“予防の価値”〜
- 2025年8月25日
- コラム
1. はじめに
皆さんは自分に投資していますか?
人によってはその「自分に投資」=ブランドのバッグを持つことだったり、ブランドの時計や服を身に付けることだったりするかも知れません。
または、ご自身の体作りのためにジムに通ったり、学びのために勉強したりといったことかも知れませんし、体のメンテナンスとして整体やサロンやエステに通うことだったりもするでしょう。
それぞれの価値観があると思いますが、今回はご自身の栄養を摂るための口の中に投資することについてお話しさせて頂きます。
歯科医院に行く理由といえば、多くの方は「歯が痛くなったから」「詰め物が取れたから」といった“問題が起きた時”を思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし近年、歯科医療の考え方は「治療」から「予防」へと大きくシフトしています。歯が痛くなる前に、あるいは病気になる前に、口の中を整えておくことがとても大切だということが、医学的にもはっきり分かってきたからです。
予防のために行うメインの方法が「定期検診」と「クリーニング」です。
ただし、ここには保険診療によるものと自費診療によるものの2つがあり、その目的や内容、得られる効果が異なります。
今回は「健康な方こそ知っておきたい、保険の定期検診と自費のクリーニングの違い」について、分かりやすくお話ししていきます。
2. 保険診療の定期検診とは
保険診療は「国が定めた基準」に基づき、必要最低限の範囲で治療や検査を行う制度です。
そのため、保険で行う定期検診は『病気の早期発見』が主な目的になります。
主な流れ
- 問診(最近の症状や気になることを確認)
- 視診(むし歯や歯周病の有無をチェック)
- 必要に応じたレントゲン撮影や歯周ポケット検査
- 歯石取り(スケーリング)
※歯肉より上に付着した硬い歯石を除去する程度 - 簡単なブラッシング指導
メリット
- 費用が比較的安い(自己負担は3割または1〜2割)
- 病気の発見が早ければ早期治療が可能
- 医療保険制度に基づくため全国どこでも同じ基準で受けられる
限界
- クリーニングはあくまで歯周病治療の一環であり、見た目の美しさや徹底的な着色除去までは対象外
- 時間や施術範囲に制限がある
- あくまでも保険内の治療になるため、決められた流れがあり、施術を受けるためには根拠となる検査が必要になる
- 完全な「予防ケア」というより「病気の管理」に近い
3. 自費のクリーニングとは
一方、自費のクリーニングは、保険制度の枠にとらわれず、予防と審美の両面を重視したケアです。
例えば、歯科衛生士が1時間かけて丁寧に施術する、専用の器具や研磨剤を使って歯面をツルツルにする、歯肉のマッサージや口臭ケアまで行うなど、内容は医院によってさらに充実させることができます。お客さま(病気で来ている方でなくあくまでも健康な方ですのでそう呼ばせて頂きます)のご要望に合わせ柔軟で豊富なメニューで対応させて頂きます。
主な内容の例
- 超音波スケーラーとハンドスケーラーによる歯石除去(歯肉の上も下も)
- エアフローを使用して口腔内全体のバイオフィルムの除去
- 茶渋やタバコのヤニ、ワインやコーヒーによる着色の徹底除去
- 研磨ペーストで歯面をツルツルに仕上げるポリッシング
- 歯と歯の間や歯ぐきの奥の細かい汚れを専用チップで除去
- フッ素やミネラルを塗布して歯質強化
- 必要に応じて歯肉マッサージで血流促進
- ブラッシングだけでなく、フロス・歯間ブラシ・タフトブラシの使い方指導
- ホームケア用品の選び方アドバイス
特徴
- 美しさと健康を両立
→ 着色が取れ、歯が本来の白さに近づく - 仕上がりが滑らかになり、汚れの再付着を防ぐ
- 歯肉の血流が良くなり、引き締まった状態を保ちやすい
- 施術時間が長く、一人ひとりに合わせたオーダーメイドケアが可能
4. 健康な人こそ自費クリーニングがおすすめな理由
「歯に問題がなければ、何もしなくていい」と思われがちですが、実はその逆です。
健康な口の中を保つためには、問題が起きる前からのケアが必要です。
なぜか?
- 歯周病やむし歯は、初期にはほぼ自覚症状がない
- 毎日の歯磨きでは全体の6割程度しか汚れを落とせない
- 着色やバイオフィルム(細菌膜)は時間とともに硬くなり、家庭では除去不可能
つまり、「まだ大丈夫」と思っている時期こそ、定期的なプロケアで口の中をリセットしておくことで、将来の治療費・通院時間・歯の喪失リスクを大きく減らすことができます。
5. 押し売りではなく“納得して選ぶ”ために
私たち歯科医師としては、自費のクリーニングを“売る”のではなく、その価値を理解していただいた上で選んでほしいと考えています。
だからこそ、次のような方針でお勧めしています。
- 必要性を正直に説明する
病気がある方には保険の治療や検診を優先 - 健康な方には選択肢を提示
「保険での管理」か「自費での予防ケア」かを自由に選べる形に - メリット・デメリットを包み隠さず伝える
自費は費用がかかるが、その分できる範囲も広く、効果も長持ち
6. 自費クリーニングで得られる“目に見える変化”
実際に受けた方からは、こんな声をいただきます。
- 「歯がツルツルして、舌ざわりが全然違う」
- 「口の中が軽く感じる」
- 「コーヒーの着色が取れて笑顔に自信が持てた」
- 「口臭が減ったと家族に言われた」
- 「次の検診までの間、歯垢の付き方が遅くなった」
これは単なる気分的なものではなく、細菌の温床となるバイオフィルムや着色を物理的に取り除くことで、汚れが再付着しにくい環境になるからです。
7. 費用と頻度の目安
- 費用:医院によりますが、1回あたり8,000〜15,000円程度が多い(メニューにより価格も変わります)
- 頻度:3〜6か月に1回が目安(生活習慣やリスクによって調整)
高く感じるかもしれませんが、これは将来の大きな治療費を予防する“先行投資”ともいえます。
例えば、1本の歯を失ってインプラント治療をすると30〜50万円以上、ブリッジや入れ歯でも十数万円〜数十万円以上はかかります。
それを防げるなら、決して高い買い物ではないでしょう。
8. まとめ
- 保険の定期検診=病気の早期発見・管理が目的
- 自費のクリーニング=予防と審美を兼ねたワンランク上のケア
- 健康な状態を長く保つには、自費クリーニングのようなプロによる徹底ケアが有効
- 選択は自由。大切なのは、自分の健康への投資をどう考えるか
もし「今は特に問題がないけれど、将来もずっと自分の歯で美味しく食事したい」と思われるなら、ぜひ一度、自費クリーニングを体験してみてください。きっとご満足いただけることでしょう。
歯の健康と美しさ、その両方を守るための第一歩になるはずです。
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