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コラム

詰め物・被せ物の寿命 自費診療①ゴールドインレー

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みなさん、こんにちは!
今回から自費診療についてお話していきます。
今回のテーマは【ゴールドインレー】です。

若い方のお口の中では中々見かけることはありませんが、その昔、ゴールドインレーは当時ステータスのようなものだったと、患者様が教えてくださいました。
見た目こそ白ではありませんが、ゴールドはとてもいい素材です。
今回みなさんにも知っていただけたらと思います。

ゴールドインレー 耐久年数10年以上と言われている※メンテナンスをしっかりしていた場合

ゴールドといっても純金ではなく、他の金属と混ぜて使用する素材、金合金です。
審美的には劣りますが、機能性や歯に優しいことを考えると、とても良い素材です。
白くないから選択肢に入れないということはせず、今からお話しする、メリット・デメリットを考慮して、是非検討して頂いてよいものだと思います。

ゴールドインレーのメリット

・割れる、欠けるの心配がない
→強度がとても強いです。CRのように割れるなど心配無用です。
・歯と同じ熱膨張率
→お口の中は、熱いもの冷たいものを食べますので、熱いものを熱い、冷たいものを冷たいと、歯と同じように言えるのはとても大事なことです。
・歯に一番適合が良い、二次カリエスを防ぐことが出来る
・歯の硬さに近いので、噛み合わせの歯を傷つけない
・錆びない
・つるっとして滑らかなので、汚れがつきにくい

ゴールドインレーのデメリット

・歯と同じ色ではないので、審美的には部位が限定される
・自費診療なので高い
・熱膨張率が同じなので、熱い、冷たいを伝えやすいこともある
・金属アレルギーを引き起こす可能性がある
→口の中で酸化しないので、アレルギーを起こす可能性は低いですがリスクはあります。
メタルタトゥーを作ることはありません。

治療時の患者様との会話から…

メンテナンスにいらっしゃる淑女の方が上の歯の奥歯にゴールドインレーを入れていらっしゃいました。
もう何十年も前に装着したものですが、不具合もなくとてもきれいに維持できていました。
メンテナンス時に、ゴールドインレーを選択したことを絶賛してしまいました。
当時はこんなにメリットがあるとは知らずに選んだそうですが、プラークもつきにくく、適合もよく、何より二次カリエスを防ぐことが出来る!
最高の選択肢でしたね!

メンテナンス時に、詰め物や被せ物の適合をチェックするのですが、CRやメタルインレーは段差や隙間がみられ、少し触れたら外れてしまったり、中で柔らかく虫歯になっていることもあります。
ですが、私の衛生士の経験の中で、ゴールドインレーの中が虫歯になったという方は、記憶では、いないように思います。
むしろ、いつまでもつるつるピカピカで、歯周病は心配しなくてはなりませんが、二次カリエスに至っては、隙間が出来ることなどはなく、
長期間保たせることが可能です。
(しっかりメンテナンスをしており、ブラッシングも出来ていることが前提ですが。)

治療のご提案

上の歯の奥歯など、大きくお口を開けても見えない場所で、噛み合わせがきつい方や歯ぎしりをする方にお勧めです。
もちろん、下の歯でも大丈夫ですが、大きくお口を開けた時に見えてしまうので、下の歯の場合は、セラミックやジルコニアの方が審美的には良いかと思います。

おすすめポイント

二次カリエスの予防にもとても良い素材です。
現在では、セラミックの素材も改良され、強度も優れていますが、金合金は歯と同じ硬さで、薄く出来る材料なので、歯を削る量も少なくできます。

自費診療の説明をさせて頂いた方の反応でいうと、『金かぁ』とやはり白ではないことへのマイナスイメージからか、早めに選択肢から除外されてしまいがちですが、見た目こそ『金』ですが、機能性などを考えると、ゴールドだからといって、敬遠しなくてもいいのだと、この記事を書いて、改めて感じました。

自費と聞くとみなさん一歩ひいてしまうこともあると思いますが、自費診療と保険診療ではやはり大きな差があり、ぜひ知っていただきたい選択肢です。
その方の歯の特徴や癖、治療部位によって、選択肢は様々です。
先入観にとらわれず、選んで頂けたら嬉しいです。

次回は「セラミックインレー」について、お話します。