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残存歯数と機能歯数

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みなさん、こんにちは!

突然ですが、みなさんのお口の中には何本の歯がありますか?

そして、何本の歯が噛むことができる機能が保たれている歯でしょうか。

今回は残存歯数(お口の中の歯の数)と機能歯数(噛む機能が保たれている歯)について、お話していきます。

【残存歯数と機能歯数は同じ数ではない】

残存歯数とは、

お口の中の歯の数です。根っこだけになっていても、むし歯でも、揺れていても1本は1本です。

機能歯数とは、

お口の中の残存歯数のうち、健全な歯、治療済みの歯、入れ歯、インプラントを含めた、噛むことが出来る、噛むことに役に立っている歯を機能歯数といいます。

機能歯数は多い方がもちろん良いと言われており、中でも奥歯が残っていることがお口の健康にとって、重要だと考えられます。

【むし歯になるのも歯周病で歯を失うのも奥歯が多い】

さきほど、奥歯が残っていることがお口の健康にとって、重要であるとお話しました。

しっかりと奥歯で噛むことで、いろいろなものを食べることも出来ますし、奥歯が安定していると、噛み合わせが安定します。顎の力も衰えるスピードが違います。

また、奥歯で噛むことで、脳へ送られる血流量が多くなり、認知症の予防にもつながることは、テレビでもよく取り上げられています。

むし歯も、前歯は見えるから早めに治療にくる方が多く、奥歯はある程度むし歯が進んでから来られる方も多く、歯周病も前歯よりも奥歯の進行から始める方が多いです。

歯を失ってからも、入れ歯を作成したり、インプラントを入れたり、奥歯の機能を失わないことが大切です。

機能歯数は多いことが良いですが、特に奥歯を守り抜くことが出来ると、よいですね。

【特に高齢者の機能歯数は要介護度や日常の生活動作に影響する】

いろんな論文や研究が行われていますが、その中には、残存歯数は少なくても、入れ歯で補うことにより、ADLが高くなることが結果として出ています。(入れ歯を入れているだけではなく使えていること、機能していることが重要。ここは、とても重要。合ってない入れ歯はダメです。)

そして、奥歯で噛めている方は、噛めていない方に比べて、認知機能の良い方が多かったと研究結果が出ています。

ということは、機能歯数が多くあると、生活の日常動作を繰り返し行うことが可能で、なおかつ、奥歯で噛めていると、顎位(顎の位置)が安定します。立ったり、座ったりもしやすいです。

脳も活性化されるので、認知機能の低下も防ぐことができます。

《原著論文》

『高齢者における機能歯数と心身機能との関係につい て 一介護度、認知機能、 食事評価との関連よりー』

とても興味深い論文ですので、みなさんよければ読んでみてください。

【機能歯数が多いと噛めるものも違う】

ある施設でのお話。

噛めるものが少ない方のお食事は、主食はおかゆ。

副菜は一口大からきざみ。軟らかいものが多いです。

噛めるものが多い方は、主食は白米。

副菜は私たちと同じ普通食の方が多く、月に一度のお出かけイベントでは、王将の餃子、ステーキなどをご家族と召し上がられる方もいらっしゃり、顔色はもちろん、笑顔もとても素敵です。

自分の好きなものを、食べにくいなど困ることなく召し上がること、当たり前のように感じている方が多いと思いますが、実はとても幸せなことなのです。

そしてこの違いが、要介護度や認知機能にも長い時間をかけて影響していくのです。

【まとめ】

では、みなさんのお口の中に何本歯がありますか?

入れ歯は使えていますか?歯が痛かったり、グラグラ揺れたりしていませんか?

機能歯数を増やすことは、人生においてとても重要なことです。

見えないところなので、奥歯をしばらく放置される方が多いですが、機能歯数を守るため、奥歯に不具合がある方は早めの歯科受診をお勧めします。