MENU

Root canal treatment

根管治療(歯の根の治療)

根管治療(歯の根の治療)

見えない「基礎」こそが歯の寿命を決定づける

立派な家を建てる時、最も重要な工程は何だと思われますか。
外壁のデザインでしょうか、内装の美しさでしょうか。
もちろんそれらも大切ですが、何よりも重要なのは建物を支える「基礎」です。
基礎が脆ければ、どんなに豪華な家を建てても、わずかな揺れで傾いたり崩れたりしてしまいます。
歯科治療においても全く同じことが言えます。
被せ物(クラウン)や詰め物は、家で言えば「建物」です。
そして、その建物を支える歯の根(根管)こそが「基礎」にあたります。
どれほど高価で美しいセラミックの歯を入れたとしても、また、どれほど精巧なドイツ式入れ歯を作ったとしても、その土台となる根管治療が不十分であれば、後から痛みが出たり、根の先に膿が溜まったりして、最悪の場合は抜歯せざるを得なくなります。
そうなれば、せっかく入れた被せ物もすべて無駄になってしまいます。
当院ではこの見えない「根管治療」こそが、治療の成否を分ける最も重要なプロセスであると捉えています。
華やかな審美治療やインプラント治療の陰に隠れがちですが、歯を残すための根管治療に、歯科医師としての情熱と技術の多くを注いでいます。

保険診療における根管治療の「限界」

日本の保険診療制度は、国民が等しく最低限の医療を受けられる素晴らしいシステムですが、根管治療においては深刻な課題を抱えています。
それは「再発率の高さ」です。
保険診療のルールでは、使用できる器具、薬剤、そして治療にかける時間に厳しい制限があります。
限られたコストの中で行う治療は、どうしても「痛みが取れればよし」とする対症療法的なアプローチになりがちです。
しかし、根管治療の本質は、複雑に入り組んだ根の中を無菌化し、二度と細菌が入り込まないように封鎖することです。
従来の保険診療で使用される材料(ガッタパーチャなどのゴム製品)は、経年劣化により収縮し、歯との間に隙間ができやすいという弱点があります。
この隙間から細菌が再侵入し、数年後にまた膿が溜まって再治療が必要になる。
この「治療と再発の繰り返し」が、多くの日本人の歯を抜歯へと追い込んでいる現実があります。
当院ではこうした保険診療の限界を直視し、本当の意味で「歯を残す」ための治療を追求しています。

根管治療の難易度と当院のこだわり

歯の中には「歯髄(しずい)」と呼ばれる神経や血管が通る管(根管)があります。
この根管は直径1mm以下と非常に細く、しかも湾曲していたり、網の目のように枝分かれしていたりします。
この暗く狭いトンネルの中から、汚染された組織や細菌を完全に取り除くことは、極めて高度な技術を要します。

手探りの治療は行いません

かつての根管治療は、歯科医師の「勘」と「経験」による手探りの治療でした。
しかし、見えない相手と戦うには限界があります。
アキ歯科クリニックでは、不確実性を排除するために「可視化」に取り組んでいます。

10倍ルーペによる精密な確認

当院では、患部を拡大して見ることができる「10倍のルーペ(歯科用拡大鏡)」を常用しています。
肉眼では見えない根管の入り口、汚れの残り具合、微細な亀裂などを鮮明に確認しながら処置を行います。
「見えている」からこそ、悪い部分だけを確実に取り除き、健康な歯質を温存することができます。

エンドモーターによる正確な切削

尼崎市 園田駅 歯医者 アキ歯科クリニック エンドモーターによる正確な切削

手作業だけでなく、コンピュータ制御された「エンドモーター」を使用します。
一定のトルクで柔軟に回転するため、曲がった根管でも形を損なうことなく、スピーディーかつきれいに清掃することが可能です。

超音波スケーラーによる化学的洗浄

尼崎市 園田駅 歯医者 アキ歯科クリニック 超音波スケーラーによる化学的洗浄

物理的に器具が届かない細かい枝分かれ部分には、超音波の振動を利用して薬剤を行き渡らせる洗浄を行います。
これにより、根管内の無菌化を徹底します。

「再発させない」ための根管充填

根管の中をきれいにした後は、空洞になった部分に薬を詰めて密閉する「根管充填(こんかんじゅうてん)」を行います。
この工程で使用する「材料」の質が、その後の歯の寿命を大きく左右します。
保険診療では、古くから「ガッタパーチャ」というゴムのポイントと糊(シーラー)が使われてきました。
しかし、これらは時間が経つと劣化・収縮し、細菌の繁殖スペースを作ってしまうリスクがあります。
そこで当院では、より予後の良い治療を実現するために、次世代の材料を導入しています。

自費診療(補綴)を選択された方へ

当院では、最終的な被せ物(補綴物)として、セラミックやドイツ式入れ歯などの「自費診療」を選択された患者様に対し、根管充填の材料をグレードアップして提供しております。
基礎(根管)がしっかりしていなければ、その上の建物(被せ物)がどれほど立派でも意味がありません。
「一生ものの被せ物」を入れるのであれば、その土台となる根の中も「一生持つ仕様」にするべきです。
それが医療者としての誠意であり、合理的な判断であると考えます。

次世代材料「バイオ シー シーラー(Bio-C Sealer)」

自費補綴の患者様には、根管充填の際に「バイオセラミック系シーラー」を使用します。
これは生体親和性(体へのなじみやすさ)が極めて高い材料です。

バイオシーシーラーの圧倒的なメリット

隙間を作らない「封鎖性」

硬化する際にわずかに膨張する性質があるため、複雑な根管の壁にピタリと密着します。
細菌が入り込む隙間を与えません。

持続する「殺菌作用」

強アルカリ性の性質を維持するため、根管内にわずかに残っているかもしれない細菌を殺菌し続け、無菌状態を保ちます。

組織を再生する「生体活性」

骨などの組織を作るのを助ける働きがあり、根の先の病巣の治癒を強力に促進します。
「外側だけでなく、内側からも最高品質を」このこだわりが、再発リスクを劇的に下げ、皆様の大切な歯を守ることにつながります。

治療期間と回数について

「根の治療はいつまで続くのですか?」よくいただくご質問です。
根管治療は、他の治療に比べて回数がかかることが多いのが特徴です。
状態にもよりますが、数回から、難症例では数ヶ月かかることもあります。
「早く終わらせてほしい」というお気持ちは痛いほど分かります。
しかし、目に見えない細菌との戦いにおいて、焦りは禁物です。
中途半端な状態で蓋をしてしまえば、必ず後で痛みや膿が再発し、再治療となります。
再治療を繰り返せば、歯はどんどん薄くなり、最終的には割れて抜歯となります。
当院では安易な期間短縮はいたしません。
「急がば回れ」の精神で、一つひとつの工程を確実にクリアしていくことが、結果として「生涯その歯で噛める」という最短ルートになると確信しているからです。
通院は大変かと思いますが、将来の歯のために根気強くお付き合いください。

治療後の痛みについて

治療中や治療後に一時的に痛みや腫れが出ることがあります。
これは、長年溜まっていた膿が排出されようとする反応や、治癒過程における生体反応であることが多いです。
当院では、痛みをコントロールするために適切な麻酔や投薬を行いますが、もし強い痛みが出た場合は遠慮なくご連絡ください。
噛み合わせの調整や洗浄を行い、症状を緩和させます。

歯を残すための最後の治療

根管治療は抜歯の一歩手前の治療です。
この治療が成功するかどうかが、その歯の運命を決めると言っても過言ではありません。
保険診療の範囲内だけで行う治療には、どうしても材料や手間の面で限界があります。
しかし、自費診療という選択肢を組み合わせることで、その限界を突破し、歯を残せる可能性を飛躍的に高めることができます。
「もう抜くしかない」と諦める前に、あるいは「とりあえず保険で」と妥協する前に、一度当院の考え方に耳を傾けてみてください。
私たちは、皆様の歯を一つでも多く守り、一生ご自身の歯で食事を楽しめる未来を実現するために、全力を尽くします。

難症例に対して

歯根の形が複雑だったり、炎症が何度も繰り返されたり、長期に渡り炎症が続くような症例は、根管治療専門医に紹介するケースもございます。